保育士の有資格者は多いのに…

保育園への待機児童問題が続く中、安倍政権が“国力増強”として2013年に打ち出した「待機児童解消加速化プラン」は、2017年度末までに、40万人の待機児童の保育園入園をめざすもの。

 

現在、首都圏をはじめとした各地で保育園の増強が進められています。自宅の近所を歩いても、既設の公立保育園が改築によって拡充されたり、駅に近いビルの1階に小規模保育所が誕生していたりの光景に出会うことは少なくありません。

 

2017年までの保育の量的拡大に伴って必要とされる保育士の数は、約49万人とされています。ところが、厚生労働省が離職を考慮しつつ試算した結果、2017年に確保できる人数は38万6千人で、7万4千人も不足することがわかりました。

 

保育園というハードに対して、保育士というソフトが、決定的に不足しているのです。ハローワークの統計によると、保育士の有効求人倍率は、2013年の時点で、1〜1.5倍。特に首都圏では、神奈川の2.5倍、東京の3.44倍が突出しているのに、です。

 

2010年時点の保育士試験の合格者は、34961人。資格取得者は、累計1492327人。登録者数は、2011年の時点では、1068838人に上っています。

 

保育士資格を取得する人は少なくないのに、保育士として就労する人が減っている状況が浮かび上がってくるかたちです。有資格ながら就労していない人は、現在、「潜在保育士」と呼ばれています。

 

“潜在”する主な理由に、保育士の志望動機に最も多い「子供と関わりたい」が挙げられますが、皮肉にも、他人の子供ではなく、自分の子供は自分の手で育てたい、と家庭に入ってしまうのです。

 

厚生労働省では、「待機児童解消加速化プラン」に向けた人材確保のため、潜在保育士の掘り起しや再就職支援の試みをスタートしています。

 

さまざまな支援内容がありますが、プランがどのくらい功を奏するか、かつての働く母親としては、気になるところです。