幼児教育における遊びとは?

遊びとは何でしょうか。幼児教育では遊びというものを重視するとよく言われていますが、そこで言う遊びがどのようなものであるかということは、しっかりと定義しているケースはさほど多くありません。

 

例えば、発達心理学者が論じている遊びと同義の部分もあるし、そうでない部分も存在します。保育において、遊びとはどのようなことを言うのかを詳しく説明していきたいと思います。

 

発達心理学上、遊びと論じる場合には、世間一般で言われている遊びや、子供が楽しく遊んでいるいわゆる遊びが子供にとってどういうものであるかとか、どうやって子供はその遊びを行っているかを分析しています。それと、幼稚園、保育所で行われている遊びと呼ばれている活動とはかなり同義ではありますが、原則的には異なります。

 

例えば、発達心理学者にとっては、テレビゲームというのは重要な遊びの場面であり、研究対象になりますが、幼稚園や保育園では、通常テレビゲームは行いません。幼稚園や保育園で行っている遊びというのは、基本的に教育的な意味を持っているもので、何でもありという訳ではないのです。

 

それでは、哲学的な「遊び」を指した場合は、保育における遊びと当てはまるケースが多いのでしょうか。保育学的にそれに近い領域でも、そのような議論を基に遊びを展開している人達が存在します。

 

そこには、いくつか問題があります。1つ目が、基本的に大人の遊びの分析になりますから、子供、特に幼児にどこまで適用できるのかという問題です。また、どちらかというと、教育という発想を捨てることによって成り立つ話であり、教育的発想に対しては批判的なスタンスに立っているといえるでしょう。

 

通常、保育で言っている遊びとは、大きく異るものになっていると思います。もっと率直に、幼児の遊びにいわゆる遊び論で言っているようなもの全てが含まれていると言ってもよいでしょうが、同時に幼児が普通に砂遊び等をしているような事について、過剰に意味付けを行ってもしょうがないようにも思えます。

 

そこまで大げさに意味のある遊びをしている訳ではないでしょうし、そういう意味では遊び論についてどこまで当てはまるのかという事についても疑問が残ります。発達心理学系の遊び論と哲学系の遊び論が対比されるような事もありますが、どちらも面白い面と、保育の立場からずれている面があるのも否めません。

 

実際に保育園や幼稚園の中で自然体で遊んでいる様子からスタートし、そこで保育者が遊びに関わり指導を行っていくのですが、それは何を指導しているのか考えると、幼児期に園の中で実現しようとしている遊びのタイプがあり、それが見えてくると思います。

 

その時、一般論の話と園における遊びを考えていく場合で、話が上手く合っていないと思います。別にこれまでの遊びの概念を否定している訳ではないのですが、「保育における遊び論」というものを独自に考える必要があるだろうと思っています。

 

保育における遊びというのは何か一言で聞かれれば、基本的には遊びから学びへ向かう流れがあり、いわゆる遊びのうち、学びへの芽生えというものが生まれてくるようなものを指すといえるのです。